コニ―徹底したユーザー視点のものづくり
ずっと愛着したい
使いやすい製品が好評!
SDGSの視点が生かされたジャパンレザーの
新しい使い方・楽しみ方の提案に
幅広いユーザーからの信頼が寄せられる。
2022年取材
鞄産地 豊岡のランドマーク、来日山(くりいざん)。雲海が見ることができる名峰を腕利きメーカー、コニ―がブランド名に冠し「CREEZAN」としてオリジナルブランドを立ち上げた。持つ人の個性が引き立つ洗練された鞄を展開する。
その代表的なシリーズ「JETTER」は旅を楽しむ大人世代のためのコレクション。なかでも白いシュリンクカウレザーが目をひく。「白」ではなく「純白」。特別に染め上げた「ディープホワイト」と呼ばれる色合いが美しい。
クリーンネスを徹底すべく工房を1日4回清掃。職人は白衣と手袋を着用し、ミシン油や接着剤のダメージを回避。ミシンにカバーをかけ、ミシンの抑えにはテープを貼り作業する。使用する金具は縫製前に磨き上げているそうだ。さらには週1回ミシンを解体して細部までメンテナンス。裁断も自社で行うことで効率化。さまざまな工程で汚れを未然に防ぎ、厳密な管理のもと、顧客まで届けられる。
同社代表取締役社長 西田 正樹さんが名づけた色修正サービス「ホワイトニング」も好評。
長期使用による白の黄ばみ、汚れ、キズなどを修復後、専用の塗料を吹きつけ、美しい白さを蘇らせる。修理品のなかには泥だらけの状態のものもあったそうだが、経験を積んだ職人が丁寧に汚れを落としていく。人間の肌と同様に保湿も施し、ハンドルは新たにつくり直す。誤魔化しがきかない革色だからこそ、誠心誠意を込めて作業。乾燥も含め、3日以上かけることも少なくない。
つくり手の想いが詰まったアイテムを使うことは、代えがたい特別感があり、ユーザーにとっても誇らしい。上質な革製品を長く愛着することが、その人の生き方、考え方を表現する時代を反映している。
レディースブランド「itten-itten」では、華やかなカラーバリエーション、ポップで丸みのあるデザインが特長。そのカーブは、「クロソイド曲線」を描く。高速道路などにも導入される緩和曲線で、長財布などはとても開閉しやすい。ファスナーには、長く大きめの引き手をプラス。ロングネイルの女性、手指に力が入りにくい高齢者にもうれしい配慮だ。かわいらしさとユニバーサルデザインを両立している。
さらにはランドセルのリメイク事業も始動。同社スタッフには子育て世代が多く、社内アンケートで「ランドセルを祖父母が購入する」との結果をうけ、ランドセルリメイクの専用製造ライン「恩返し工房REBACK」を始動。小学生の子をもつ女性スタッフが担当する。祖父母に対して感謝の気持ちとして6年間使用したランドセルを日常に使用できるものへと再生し、廃棄物の削減、再利用のサイクルを促進。SDGsのニーズの対応した幅広い取り組みにユーザーの信頼が寄せられている。